外科処置を行うときはしっかりとした診査、診断のもとインフォームドコンセントを行い納得していただいて同意書などにサインをしていただきます。 歯周病などによって歯茎が痩せてしまった部分や歯を支えている顎の骨が溶けてしまった部分を回復させることを「再生治療」と言います。
- 歯茎の見た目を綺麗にする治療
- 「根面被覆術」という再生治療法は、歯茎が下がってしまい歯が長く見えるといった見た目の問題を改善させる効果があります。 この治療方法は別の部分の歯肉を、歯の根が見える歯茎部分に移植します。 露出した歯根を再び覆うことが可能です。
- 歯周組織の再生
- 歯茎には歯を支えるための歯周組織が存在しています。 歯周組織は「歯肉」「歯槽骨」「歯根膜」「セメント質」の4つです。 歯茎が痩せてしまう原因は、歯槽骨が歯周病などの病気により失われてしまうからです。 歯茎の状態を改善させるために歯を支えている骨や周囲の組織の再生を促す治療法が、「歯周組織再生治療」と呼ばれているものです。
再生療法について
歯周組織の再生療法には、エムドゲインやGTR、骨移植などの方法があります。
- エムドゲイン
- エムドゲインゲルと呼ばれる、子供の歯が生える時に重要な役割を担うタンパク質を主成分とした薬を塗って再生させる治療法です。 歯科医療先進国であるスウェーデンで、歯周組織の再生を促す薬として開発されました。 歯の周りにある汚れと悪い組織を除去し、骨量が減ってしまった部分にエムドゲインを注入します。 薬の働きによって人間備わっている自己再生能力を高め、歯周組織の再生を促します。 エムドゲインは歯が作られるタンパク質と同じため自然に体内に吸収されていきます。
- GTR法
- 骨を再生する場所にメンブレンと呼ばれる膜で覆う治療法です。 通常、骨よりも歯肉の方が再生が早いので、骨が治る場所に歯肉が被さるため骨を再生することは非常に難しいです。 GTR法では、メンブレンで骨が治る場所を確保し、骨の自然治癒を促します。 数ヶ月後には新しい骨が再生されます。
- 骨移植
- 自家骨(自分の骨のことです)や人工骨を、歯槽骨が失われてしまった部位に移植する治療法です。
- FGG(遊離歯肉移植術)
- 歯肉が下がっている部分に、口の中の天井部分から上皮のついた歯肉を切り取ったものを移植します。
- CTG(結合組織移植術)
- 歯根を覆う歯肉に厚みをもたせる治療法です。 歯肉が下がっている部分に上皮と骨膜の間を移植するので、上顎の口蓋(口の中の上の天井)から結合組織を切り取る処置を施します。
歯茎の再生治療の内容
歯茎の再生治療
歯茎の再生治療は、歯茎が痩せた部分や抜歯によって凹んでしまった部分の見た目を良くする、歯周組織の再生をするという目的だけではなく、様々なものに活用されることが多いです。 歯茎を再生させて位置を変えたり、目立つ差し歯の治療箇所を短く見えるように変えることなどできます。 また矯正治療の影響で歯茎が下がってしまう可能性もあります。 そのため歯茎が下がる予防のために歯茎の再生治療を採用することもあります。
歯周病における再生治療
歯周病菌を治す治療とは異なるのですが、歯周病が重症化し痩せてしまった歯茎に対する再生治療というものがあります。 歯周病が重症化すると抜歯が必要になる程に、歯を支える骨が吸収されて歯がグラグラになってしまいます。 こうした場合になるべく抜歯を避けるため、歯周組織再生治療を行うと改善する可能性があります。
リスクと注意点
歯茎の再生治療では基本的に外科的な処置が必要です。 そのため、患者様にある程度の負担がかかります。 治療箇所だけでなく、移植する歯茎を採取した場所にも痛みがあるため、再生する場所だけでなく歯茎を移植する場所にも注意が必要です。 また、歯茎をどこまで再生できるかは年齢や歯周病の進行度などの患者様一人ひとりの状態により変化します。 そのため、必ず歯茎の再生が最良のところまで治るわけではありません。
口のケア
手術後のお口のケアをせずにいると、手術によって再生した歯周組織が再び歯周病を発症することも少なくありません。再生療法後は、歯周病の再発を予防するため意識的に定期検診を受けことが大切です。 メンテナンスはホワイトエッセンスをおすすめしています